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うずまき舎の本棚


 私は本を食べています。もちろん文字通りのことではなく、

正確には、文字を読むことは、わたしにとって、ごはんを食べたり、呼吸をしたりするのとおなじぐらい、必要なことだと思うのです。


 ものを売ったり買ったりするのに、私の考える基準は、そのものを愛しているかどうか、ということだったりします。今の世の中が少しおかしくなっている根本には、たとえば車を愛していない人が車を売っていたり、何の愛着も持てないような服を着ていたり、そんなことの積み重ねではないかと思っています。たとえ素敵な本でも、大好きな道具でも、そのものを、「売り上げ」とか「利益率」とかいう数字でしか評価してないような人から買ったなら、せっかく手に入れたとしても、その喜びは半分でしかないのではないかと、そんなことを考えています。だから私は心から、これ、面白いです!とか、大好きです!と言えるものだけを、この先、自らの生きる糧にしていきたいと思います。そして、私のなかのそれに相当するものは、本と文字のような気がしています。

 今までの本屋とは違う、でも何か懐かしいような、次々と読みたい本が見つかる書物の森、そこでは時を忘れるような、そんな本屋さんというのは、他の誰かではなくて、私自身が望む空間なのです。どれぐらい時間がかかるのか、果たして思ったようなものが実現するのかどうか、今はそれさえもわかりませんが、自分の中で鮮明にイメージできる場所というのは、それを見失うことさえなければ、そこにたどり着けるどこかなのではないかと、根拠もなくそんな風に思っています。


2013.6.22 うずまき舎 村上千世

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